SSブログ

2月5日のかりん [かりんの話]

朝4時ごろ、それまで寝ていた2階のソファから1階の寝室に降りてきて、ぼくのベッドに上ってくる。
ふとんにいれて、からだをさすってやる。
冷え冷えとしている。
いつものように朝5時起床。
階段をのぼる足取りがよたよたして、昔のように元気よく駆け上ったりしない。
丸いプラスチックの皿に入れた食事はそのままで、食べた様子がない。
新しいエサに替えてやるが、興味がなさそう。
手のひらにエサを置くと、ようやく食べ始めた。
食べては休み、休んでは食べるという調子で、食欲はあまりない。
それでもふだんの3分の2くらいの量を食べたので、ほっとする。
出勤前、書斎で少し仕事をしながら、電気ストーブの前に置いてやると、気持ちよくなったのか、伸ばした前脚に頭をのせて、こくりこくり始める。
出勤時間が近づいたので、食堂で朝ご飯を食べる。
「おかあさん、あんまりお酒を飲んじゃだめだ、とかりんが注意してるみたいだ」
とヨーコさんがいう。
12月の主婦検診でコレステロール値が高かったので、かりんの病状がひとごとではないようだ。
ついでに「おとうさんもお酒をやめなさい」と、ぼくに忠告する。
かりんの波紋がわが家全体に広がっている。
きょうはヨーコさんも仕事に行くから、かりんはひとりぼっちで留守番だ。
すこし心配だが、夕方までだいじょうぶだろう。
ボウルに水をいっぱい入れ、隣の皿にも少し「銀のスプーン」(えさ)を置いて、出かけることにした。
どこにいるのかと探せば、寝室のヒーターの横にたたずんでいた。
「かりん、行ってくるよ。夕方帰るからね」
と声をかける。
ヨーコさんが「かりん」というと「ニャー」と鳴くくせに、ぼくが話しかけてもじろっと見るのはいつものくせだ。
夕方5時すぎ、会社から電話をかけると、ヨーコさんが戻っていて、ごはんをやったけれども、ちっとも食べないという。
心配になり、退社時間になると飛ぶようにして帰宅する。
ヨーコさんがやっても食べなかったのに、ぼくが手のひらにエサをのせると、少しずつ食べはじめる。
それでもいつもの3分の1くらい。
ミルクを飲ませたらどうかと思い、近くのイトーヨーカドーに行って、子猫用のドライミルクの缶を買って、試してみる。
これはあまりお気に入りではなさそうだ。
8時になって寝はじめたので、ひざかけ毛布をかけてやる。
朝までぐっすり眠りなさい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0