悪夢、そして入院 [かりんの話]
夜中の2時ごろ、かりんがぼくのベッドにやってくる。
2階のソファで寝ていたが、たぶん寒かったのだ。
ふとんのなかに入れてやる。
からだが冷え切っている。
しばらくしたら満足したのか、ふとんを出て、ぼくの足元で寝はじめる。
妙な夢を見た。
ぼくはかりんを連れて、にぎやかな酒場で飲んでいる。
そばにいたサンタクロースのようなおじさんが手招きして、かりんを呼び寄せると、かりんのほっぺたに何か白いクリームのようなものを塗りつける。
すると、かりんの息が早くなり、そのあと、あおむけになって手足を広げたまま動かなくなってしまう。
サンタのようなおじさんは、ワインの箱のようなものを取り出し、そこにセロファンに包んだかりんを入れてぼくに手渡す。
ぼくはものすごく怒っている。
怒鳴り声を上げそうになったところで、目が覚めた。
かりんは足元で寝ていた。
5時になったので起きると、かりんがついてくる。
けさもミルクしか飲まない。
心配になり9時前、大神宮横のくわじま動物病院に連れて行く。
「おとといは少し食べましたが、きのうは何も食べなくて」と話すと、
先生はしばらく考えこんで、
「それじゃ、少し入院したらどうですか」。
かりんは土曜日まで入院することになった。
夕方、仕事を終えて帰宅すると、
「かりんがいないと寂しいね」
とヨーコさんが言った。
病院に電話を掛けると、先生が
「点滴を打って、インスリンを1回投与してみたが、状態は変わらない」
と沈痛な声で、かりんの様子を説明してくれた。
ヨーコさんが買ってきてくれたバレンタイン・デーのチョコレートケーキをふたりで食べる。
寂しい。(2月14日)
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