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万葉集第2巻[96〜102] [超訳「万葉集」]

■久米の若僧が石川のいらつめ(みこ)に言い寄ったときの歌5首[歌物語から]
[96]
マコモで知られる信濃の強弓
その弓を私が引いても
あなたはつんとして
しらんぷりでしょうね[若僧]

[97]
マコモで知られる信濃の強弓
その弓も引かずに
はっきりしない人の気持ちが
どうしてわかるの[乙女]

[98]
梓弓を引いてくださるなら
お心のままにしたがいましょう
でも、のちのちのお心は
どうなるんでしょうね[乙女]

[99]
梓弓に弦(つる)をつけて
引く人は
のちのちの気持ちをたしかめて
引くのですよ[若僧]

[100]
東国から納める
初穂の箱を結わえた
紐のように
あなたはどっしりと
私の心をくるんでしまったのです[若僧]

■若き大伴安麻呂(?-714)[壬申の乱[672]で大海人(おおあま)=天武天皇側につく。のち大納言になるが、藤原不比等の権勢にはかなわなかった]が、巨勢(こせ)のいらつめ[安麻呂の妻、大伴旅人の母ともいわれる。近江方の大納言だった父は壬申の乱後、配流]に求婚したときの歌
[101]
きれいな葛がからまって
実のならない大きな木には
ちはやぶる多くの神がつくといいますよ
あなたという木にも

■巨勢のいらつめの返歌
[102]
きれいな葛がからまって
花しか咲かないのは
だれかが恋しているからではないでしょう
ほんとはわたしがあなたに恋しているのですよ

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