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日本にも大統領制を [時事]

けさの新聞によると、米格付け会社が日本国債を格下げしたことについて、菅首相は記者団の質問に「そういうことに疎いので、改めて」と述べたとか。
何だか悲しくなるような記事だ。
首相の見識も疑われるが、メディアもメディアだ。例によって、失言を引きだして有頂天になっている。野党自民党はこの首相発言を格好の民主党政権攻撃の材料にしようとしている。
ことの本質は自民党時代から積み重なった、どうしようもなく巨額の財政赤字をどうするのかということなのに、与野党とも頭にあるのは政権をめぐる綱引きだけだ。
最後は政治の腹芸で、予算を通す代わりに総選挙をするというあたりに落ちつくのか。そうなるとまた自民党が勝って、首相が交代する。それで政局が安定することになるかというと、そううまくいきそうにないところに日本の政治のむずかしさがある。
イギリス流の2大政党制が日本で定着するのは無理ではないかという、自分でもいやな気分になりつつある。
イギリスの上院とちがって、日本の場合は戦前の貴族院をへんなかたちに改編した参議院が、スタビライザーではなく政治的不安定をつくりだすひとつの要因になっている。
世襲議員の多い代議士は政治的ビジョンも説得力もなく、地元の利害を押し出す存在となりはて、政治的にきたえられていない。
与党のメンバーが行政のトップに立つ制度のもとでは、こういう代議士が各省庁を統率していくタテマエになっているから、役人になめられるのも仕方あるまい。
あげくのはてが、代議士と大臣のポストをめぐる政争の連続である。いったい何度首相が入れ替われば気が済むのだろうか。
連日、新聞やテレビのニュースで政治のいざこざを見聞きするたびに、日本も大統領制をとって、任期4年の大統領が行政権を握り、議会は立法府としての役割をしっかり果たすようにしたほうがいいのではないかと思ってしまう。そうすれば、政権のトップがいまのようにしょっちゅう代わらなくなり、日本の政治も少しは落ちつくのではないだろうか。
もちろん日本には天皇陛下がおられる。日本はイギリスのような立憲君主国であって、アメリカやフランス、韓国のような大統領制の国ではないという言い方もできる。大統領制などとんでもないというわけだ。
はたして大統領制は象徴天皇制と両立できないだろうか。天皇が日本文化の象徴でありつづけることはまちがいない。
現在の天皇は対外的には国家元首であり、連日、過酷と思えるほど政治的な役割を担いつづけておられる。ある意味、政治的存在であり、死ぬまで退位することもできない。その一方で、いわゆる皇室外交などがくり広げられれば、天皇の政治利用だという批判がとびだしたりする。
もう天皇を政治的責任から解放するべきだ。現実に国民は天皇を文化的象徴として受けとめているのに、実際に天皇は表に出てこない政治的象徴でありつづけていることに無理がある。
現在の政治制度のもとでは、日本国民は一定期間、国の行政を託す有能な政治家を直接選べないままでいる。地方自治体では行政の長を直接選出できるようになっているのだから、それが国のレベルでできないという話はない。
東京都知事や大阪府知事を住民が選出するように、国の大統領を国民が選出したところで、それが天皇をなくすということにはつながらないだろう。
国際外交が重要になっているときに、首相がころころ変わるような国は世界の動きに対応できないのではないか。
議員内閣制、2大政党制が日本ではむずかしいと結論を出すのは早すぎるかもしれない。しかし、近ごろの政治へのいらだちから、ついこんな一文をつづりたくなってしまった。

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dendenmushi

@まったく同感であります。政治をなかなかいい方向に変えられないのは、まだまだ民度が低いからだと思わざるを得ません。
 そこにつけ込んで、存分にミスリードしているのがマスコミで、とくにサンケイと読売はひどいが、これは確信犯だから…。重箱の隅をつついて政権党のあらさがしをするより、もっと肝心なことがたくさんあるのに、いつも目先の政局ばかり掘り起しては煽っていますよね。
 ほんと、言うのもイヤになるので、敬遠していますが、こうしてそうだそうだという記事を目にすると、つい…。
by dendenmushi (2011-01-29 07:21) 

だいだらぼっち

コメントありがとうございます。政治のことについては、あまり書きたくないのですが、つい口がすべってしまいました。それにしても、もう少し何とかならないものでしょうか。
by だいだらぼっち (2011-01-30 07:26) 

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