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台湾の旅(1) [旅]

3月7日から11日まで、JTB旅物語のパックツアーで台湾を旅行してきました。東日本大震災があったため、しばらくまとめる気力をなくしていたのですが、その話をぼつぼつ書いておきたいと思います。
台湾に行こうと思った動機は、きわめて単純です。寒いからどこか近くの暖かい場所に行きたい、しかも何も準備しないですむパック旅行がいいというのですから、最初から気が抜けています。
気ばったのは4万9800円のプランを1万円追加してグレードアップし、少しいいホテルに泊まることにしたくらいでしょうか。ちょっとぜいたくかなとドキドキする小心者のぼくを、ヨーコさんはあきれ顔でみています。
前日、着替えの下着や洋服ふたり分を旅行カバンひとつに詰めたくらいで、事前の勉強は何もしませんでした。でも、初めての台湾旅行には暖かさを求めてという以外に、いくつかの動機がひそんでいたのかもしれません。
はるか昔の学生時代、ぼくは竹内好という人が好きで、何冊かその本を読んだものです。魯迅のことも知りました。竹内さんは、当時、断絶していた中国との国交回復を称えて、雑誌「中国」を主宰し、アジアのなかの日本について懸命に考えつづけた人です。
日中国交回復の1年前、ぼくは日中学生友好会にもぐりこんで訪中することができました。それには、たぶんに竹内好(それに武田泰淳)の影響があったのでしょう。あのころ学園闘争はすでに雲散霧消したとはいえ、学生のあいだでは熾火のようにマルクスの思想がくすぶっていました。ぼくもマルクスをよく読んでいました。中国革命についても勉強しました。かといって毛沢東にあこがれていたわけではありません。中国はスターリニズム国家だと考えていましたから、そのあたりは竹内さんと意見を異にしていたのです。それでも文化大革命の結果を見たいと思い、中国を訪れたのでした。
このあたりの話を書くときりがありませんから、また機会をあらためるとして、結論だけいうと、ぼくはどことなく中国に失望をおぼえたのだと思います。勇ましいことばとは裏腹に気持ちが離れていくというか、そんな感じですね。
帰国してから、ヨーコさんと付きあい、社会人になって、それから仕事の関係で当時アジア経済研究所の戴国煇さんと知り合いました。お会いしたのは2、3度くらいですが、台湾のことに興味をもちはじめたのはそれからです。台湾もまた政治的にはむつかしい場所でした。戴先生から華僑経済圏のこと、それから日本統治時代の台湾についても、少しかじらせていただいたような気がしています。しかし、台湾にはとうとう行く機会がなかったのです。
竹内好さんも戴国煇さんも亡くなってしまいました。中国や台湾のことを取り上げると、その先にはとめどない政治論議が待ち受けています。ぼくは嫌いですが、小林よしのりという人についても触れなくてはならないのでしょうか。司馬遼太郎さんも台湾紀行を書いています。
最初からエキサイトするのはやめましょう。暖かさを求めての旅なのですから。
ところが出発の当日は、ひな祭り寒波がますますひどくなって、あいにくのみぞれ混じり。
朝の雨が次第に雪となり、船橋の自宅を出るころには家の屋根や庭に雪がうっすらと積もっていました。成田空港についたのは11時半ごろ。南ウイングの端にあるJTB旅物語のカウンターで航空券などを受け取り、すぐ脇のエバー航空カウンターで荷物を預け、航空券をもらいます。
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成田空港で2万円両替すると、6000台湾ドルと200円お釣りがきました。ただし、老婆心ながらつけ加えると、台湾到着後、ツアーバスの中での両替率は1万円=3500台湾ドルでしたから、両替はできれば台湾に着いてからのほうがいいですね。
14時発のエバー航空は、雪のため1時間以上出発が遅れました。じっと待つあいだ、機内の暖房がききすぎていたため、飛び立つ前に気分が悪くなる人もいるほどでした。
成田から台北近郊の桃園空港までは4時間。1時間の時差があるので、到着は夕方の6時過ぎになりました。このロビーでツアー客がはじめて集合し、顔を合わせます。日本からはいくつもの団体が入っていましたが、台湾を4泊5日で回るわれわれのツアーは年配の夫婦づればかりの10組20名。多くもなく少なくもない、ちょうどほどよい人数です。
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そこから2時間近くかけて、台中までやってきました。外がすでに暗いため途中の景色はよく見えません。ガイドをしてくれるのは、蓮舫さんを案内したこともあるという陽達旅行社の劉国光さん、冗談を連発する愉快な人です。途中、通り過ぎた新竹あたりは、現地の企業のほか、三菱エレベーターや富士フィルムの工場も見かけました。簡体字ではない旧漢字が使われているので、それをみれば、そこに何があるか、だいたいわかるのがいいですね。
その日は移動だけで、台中の兆品飯店で1泊です。
つづきは気が向いたときに書いていくことにします。

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