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里山で堆肥づくり [旅]

連日、降り込めていた雨がようやく上がり、天気が回復に向かいつつあった日のこと。
博物館の催しに参加し、鹿野山のふもとにある君津市の里山で、堆肥づくりを体験させてもらった。
集合場所、半兵衛炭の前に車をとめさせてもらい、別の車に分乗させてもらって、玄々堂さんの裏山につれていってもらう。
玄々堂は鈴木家の屋号。
古くから篤農家として知られた鈴木家は、農業、開墾のかたわら、この地に医院を開いていた。醍醐源氏を祖とする家柄で、豊臣家の御典医、森玄孝から医術を伝えられたという。玄々堂の名前は、玄孝の玄に由来するとみるが、どうだろう。
立派な長屋門が残っているが、現在、ここに病院はない。君津駅近くにある玄々堂君津病院が、その名前を受け継いでいる。
何はともあれ、きょうの目標は堆肥づくりだ。
地元のおばあちゃんたちにお手本をみせてもらう。
まずは2本のワラの端を結び、長くした紐をふたつ並べる。そして横にワラを並べていく。
DSCN5553.JPG
ここにかき集めた落ち葉をのせる。
DSCN5554.JPG
上に枯れ枝などをのせて、しっかり固定し、2本の紐をぎゅっとしばればできあがり。
DSCN5555.JPG
ざっとこんな感じだ。実に簡単。
作業開始。がんじき(おお播州人、東京では熊手)で落ち葉を集めると、これまで枯葉におおわれていた土がくろぐろとした色をみせ、冬から春にかわる匂いを立てはじめる。
紐をしばって、ぼくのほうも、ようやく一丁上がり。落ち葉が端からこぼれないように、がんじき(熊手)の柄で左右の端をたたいておく。
いい運動だ。下手ながら、少しずつ薦(こも)ができあがっていく。5人くらいで10個ぐらいはできたかな(効率悪し)。
昔はこれを背にかついで畑に運んだのだろうが、いまは小型トラックの荷台に載せて、畑に運ぶ。
これをひと山にして畑の端で1年ほど寝かし、ほとんど土に戻った状態で堆肥として利用するわけだ。
時間はかかるかもしれない。しかしムダがない。ワラも利用できるし、山もきれいになるし、畑の作物もよくできる。
市宿の半兵衛炭(資料館)で、持ちよりのおにぎりやパン、手作りジャム、つけものなどを遠慮なくいただく(しまった、こちらはいただくだけ)。
そのとき、だれかが言っていた。
「このへんでないのは肉だけ。やろうと思えば、これでやっていけるのよ」
絵空事ではなく、ほんとうにそうかもしれない。
ただし手間ひまはかかるし、からだもこまめに動かさなくてはいけない。
食べるためだけではない。そこには文化があるし、自然への感謝の気持ちもある。
里山は日本の原点、いや人間の元気のもとだと悟った。

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