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スカイ島──スコットランドの旅(7) [旅]

8月9日(木)
 朝7時、朝食を取らず、そのままマレイグの港へ向かい、7時40分発のフェリーに乗りこみました。
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 乗船した車は50台ほどでしょうか。夏は何便も出ているという情報があったのですが、日本から予約しておいて正解でした(ネット時代のありがたさです)。臨時便はなさそうで、これを逃すと、2時間は待たなければならなかったでしょう。
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 いまいるのはスコットランド北西部。ウエストハイランド鉄道の終点、マレイグの港から海峡を渡って、スカイ島に向かっています。
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 船は右に左にと揺れながら、南北につらなる狭い海峡を横断します。海峡は奥に行くほど狭まっていて、なんだか神秘的です。
 しばらくするとスカイ島が見えてきました。ヘブリディーズ諸島に位置し、面積は1700平方キロ。スコットランドで2番目に大きな島です。
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 40分ほどで、スカイ島のアーマデールに到着。下りたところにある小屋で軽く朝食をすませます。われわれ夫婦はスープとパンでじゅうぶんです。
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 それからおもむろにスカイ島をドライブ。入り江に沿って進みます。幸いなことに、きょうはAirbnbで宿を確保できたので、島でのんびりできます。ちなみに、夏のスカイ島で宿を確保するのは至難の業で、われわれもようやくキャンセルを見つけて、すべりこみました。
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 きょうも晴れたかと思うと雨が降るスコットランド特有の天気です。島には小高い山もあって、その景観はきのう通ったハイランドと似ています(もっともここもハイランドに属していますが)。ちがうのは海に囲まれていることです。島だからあたりまえか。
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 鹿が道に飛び出します。羊の群れ、牛もみかけます。ここは放牧の島です。ここにも「ハイランド放逐」の歴史がありました。1800年以降、ハイランドでは羊を放牧するため、住民が一斉に土地を退去させられたのです。そのため、ここスカイ島でも2万人以上あった人口が1万人に減少し、いまもほぼ同じです。
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 スリガハンという景勝地を左折し、ダンベガン城に到着しました。時刻は10時半、今日の最高気温は14度と予測されています。
 この地を治めていたハイランドの族長、マクラウド家の居城です。1745年のジャコバイトの反乱では、マクラウド家はジャコバイト側を支持せず、政府側についています。マクラウド家については、帰国してから詳しく調べるつもりでいましたが、いまだに果たせず。すっかり根気を失ってしまいました。
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 城には居間や食卓、書斎、寝室などが残され、台所や地下牢などもありました。海に続くその庭園は広大です。
 その海ぎわで長女の美輪がすべって尻餅をつき、尾てい骨を強く打ってしまいました。座ると痛いらしく、心配しましたが、なんとか旅行をつづけられそうです。でも、このあともしばらく痛がっていました。
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 ここからアザラシ・ウオッチングのボートも出ているようですが、われわれはパス。
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 お昼は城をでて、近くの旧小学校跡の食道で。われわれ夫婦はスープとパン。マテオと孫のユウキはフィッシュ&チップスを頼んでいました。
 そのあと西のはてに向かいます。車がすれちがえない道を通って、ネストポイントという崖に行き着きます。向こうから車がくると、退避場所にとまり、行き過ごさなければなりません。逆に向こうが待ってくれる場合もあります。
 駐車できる道路の両側は車があふれかえっていました。ぼくの運転技術ではとても無理。みんなうまく停めるものだと関心します。
 着いたときは雨が降っていましたが、途中からからりと晴れてきました。スコットランドの天気はほんとうに変わりやすい。
 歩きはじめると、羊がぬっと顔を出すので、びっくり。牛の放牧もおこなわれています。
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 左手にも入り江をへだてて、小高い丘が見えます。
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 ネストポイントと呼ばれる絶壁まで歩いていきました。
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 それはこの世のものとは思えぬほどの美しい絶壁でした。
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 その頂上に立ちます。のぼりきる最後のところで、ぼくはからだのバランスを崩し、転倒してしまいます。まわりの人が親切に腕を支え助けてくれました。
頂上にのぼって気がついたのですが、岬はまだ先にあって、そこには美しい灯台が立っていました。
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 われわれはそこまでは行かず、途中で引き返しましたが、娘の一家は突端まで歩いたようです。
あとで、マテオが別の場所から撮ったネストポイントの全景写真を見せてくれました。高所恐怖症のぼくが、よくこの崖の上までのぼったものです。とはいえ、ここはたしかにスカイ島の絶景のひとつでした。
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 午後4時ごろまでここにいて、ブロードフォードの宿に向かいました。村の角を曲がり、ヒースのなかの細い道を20分ほど延々と行くので不安になりましたが、入り江に面した村のいちばん海に近い場所に、きょうの宿を見つけたときはほっとしました。
 一見、臨時宿泊所のようですが、なかは清潔で設備も整っています。オーナーの家は隣にあり、われわれが着くと、人の良さそうな奥さんが鍵のことや、設備のことなど、いろいろと説明してくれました。
 食事はブロードフォードの村まで7キロほど戻り、村で2軒ほどしかないレストランで、シーフードをいただきました。混みあっていて順番待ちでしたが、待ったかいはありました。

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