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タシケントのガンダーラ仏──ウズベキスタンの旅(13) [旅]

 5月16日(木)
 朝早くホテルを出発し、サマルカンド駅にやってきました。荷物をもっての移動は少したいへんですが、駅の構内はさほど混み合っていません。
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 6時38分の列車アフラシャブ号に乗ります。
_DSC0810サマルカンド駅アフラシャブ号.JPG
 途中、ティムールが進軍するときに軍を集結させたというティムール・ゲートを通過します。
_DSC0847 2チムール・ゲート.JPG
 シルダリヤ(シル川)を渡ります。
_DSC0871 2シルダリア川.JPG
 9時前、タシケント駅に到着しました。
_DSC0874タシケント駅.JPG
 最初に訪れたのはヤッカサライ・モスク。この一角に、ソ連時代に抑留された日本人の墓地があります。
_DSC0880ヤッカサライモスク・日本人墓地.JPG
 タシケントには9760人の日本人が連行され、住宅や道路、運河、劇場などの建設に使役されました。この墓地には79人の日本人が葬られています。慰霊碑に手を合わせるご夫妻の写真をとらせてもらいました。
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ウズベキスタンの人のお墓。墓石には生前の写真が彫り込まれています。
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 スーパーでの買い物タイムのあと、タシケントのウズベキスタン歴史博物館にやってきました。ここには石器時代から18世紀ころまでの文物が展示されています。
_DSC0925 2ウズベキスタン歴史博物館.JPG
 詳しいことはわからないのですが、いくつか気になった展示を紹介しておきましょう。
これは蛇の分銅。フェルガナ地方で発見されたもので、紀元前2000年ごろペルシアでつくられたものだといいます。何に用いられたのでしょう。
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 これは紀元前5世紀ごろ、アムダリア河畔の古代都市で発見された祭司の像。
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 同じく腕輪。
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 ヤギのとって。ヤギの姿が躍動的です。
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 カラカクパクスタンのブルリカラで出土した紀元前1〜3世紀の人物像。貴人でしょうか。
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 これは鏡ですね。紀元前1〜2世紀の女性の墓からの出土品です。鏡はシルクロードを通って中国からもたらされたのでしょうか。
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 テルメズ近郊の仏教遺跡から出土した塑像。1〜2世紀ころのものです。伎楽の面に似ていませんか。
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 これも同じ。
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 ひとつひとつ紹介していてはきりがありません。しかし、なかでも圧巻は、テルメズ近郊のファヤズテペ遺跡から発掘された1〜3世紀くらいの仏像でした。ここには広大な僧院がありましたが、玄奘三蔵法師が訪れたときには、すでに土に埋まっていたようです。
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 あまりに完璧な像なので、アップした写真も載せておきましょう。平和を祈る念が伝わってきます。いつの時代も世界中どこでも、人の思いは同じです。なおこの像を発見したのはガイドさんのいうように加藤九祚先生ではなく牧夫のアブサド・ベクナエフという人です(加藤先生自身が『中央アジア遺跡の旅』という本で紹介されています)。
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 この博物館には、ほかにもイスラム時代の遺物やティムールにまつわる絵画、スターリン時代の弾圧の記録も保存されています。ウズベキスタンでもスターリン時代、密告により多くの人が処刑され、7000人以上が犠牲になったといいます。有名なのはアブドゥラ・コディリ(1894-1938)という作家です。いまはタシケントの地下鉄の駅名にも、この人の名前がつけられています。
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 もっと時間と知識があれば、ここで1日過ごすこともできたでしょう。しかし、残念ながら帰国の時が迫っていました。ほんの1時間ほどの見学でおしまいです。

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