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モンゴルのんびりツアー(1) [旅]

6月24日(月)
「モンゴルの草原を見たい」と言いだしたのは、つれあいのほうで、さまざまな旅行社から山のように送られてくるパンフのなかから、わが家の財政でも何とかだいじょうぶそうなコースを選びます。ぼくはいつものようにぼんやりとくっついていくだけです。
 モンゴルといっても、頭に思い浮かぶのは、ゴビ砂漠とチンギス・カン(ハーン)の名前くらい。あとは去年テレビで見たドラマ「VIVANT」のイメージが強いですね。架空の国バルカ共和国を舞台にした破天荒な冒険ドラマでしたが、そのロケ地がモンゴルでした。
 今回つれあいが選んだツアーは砂漠ではなく、草原のほうです。1週間のツアーで両方を見るのはとても無理。モンゴルの面積は日本の4倍あります。大きく分けて、ツアーは砂漠か草原のどちらかを選択しなければなりません。それで、今回は最初から行ってみたかった草原のほうにしたようです。
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 成田発の飛行機はモンゴル航空(MIAT)502便、14時40分ウランバートル行きでした。座席はビジネス、エコノミーを合わせて200ほどで、ほぼ満席です。われわれはもちろんエコノミーですが、滑走路混雑のため出発は20分ほど遅れました。
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 飛行機はいったん九十九里上空に出て旋回し、長野、北陸、日本海、韓国、黄海と西に進み、山東半島をかすめてから方向を変え、天津、北京あたりを通って北西に進みます。
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 それにしても、モンゴル人と日本人の顔つきはよく似ています。顔が丸くて頬骨が高くて、目が細い。日本人にもこういう顔つきの人は少なくないでしょう。キャビンアテンダントの人たちも、見かけはまったく日本人です。
 モンゴル人と日本人はどこかでつながっているんだろうな。ぼんやり、そんなことを考えていると、やがてゴビ砂漠らしきものが見えてきました。
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 空港に到着します。通称チンギスハーン国際空港。2021年7月に新しくできた空港です。昔の空港はいまどうなったのでしょうかね。
 日本とモンゴルの時差は1時間。飛行時間は約5時間半で、現地時間19時半(日本時間20時半)に到着しました。空港はまさに草原の中にあって、すぐ脇では馬が放牧されていました。
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 空港のロビーで、ガイドさんと待ち合わせます。ガイドさんの名前はオギーさん。ほんとうの名前はもっと長いが、そう呼んでくれといいます。今回のツアーのメンバーは12人で、夫婦づれはわれわれともうひと組だけです。友達どうしで来ている人がふた組。あとは個人参加です。男性8人、女性4人の割合でした。
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 空港はウランバートルの南西54キロの地点にあって、日本の政府開発援助によって建てられたといいます。ウランバートル市内まで1時間半から2時間かかるという話でした。どうしてそんなに時間がかかるのかと思いましたが、その理由はあとでわかってきます。
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 モンゴルの通貨単位はトゥグルグ。2024年6月現在のレートは1万トゥグルグが500円。2年ほど前は300円でしたから、ずいぶん円安が進んだことになります。加えてインフレも激しいようです。ちなみにレストランでは大の缶ビールが1万トゥグルグ、500円で、レートにすれば日本の物価とほぼ変わりませんでした。
 バスのなかで二人あわせて1万円分を両替してもらいます。20万トゥグルグになりました。チンギス・カンの肖像入りのお札です。
 バスは最初、順調に飛ばしていましたが、市内に近づくにつれ、車が混みはじめました。ご多分に漏れず、モンゴルも車社会で、渋滞が大問題になっているといいます。車は圧倒的にトヨタのプリウスです。右側通行なのに右ハンドル。運転しにくくないのかと思います。
 15階建てくらいのマンション群が見えはじめます。ウランバートルは建設ラッシュで、建設中のマンションも数多く見かけます。ガイドさんによると、冬は寒いので5月か9月くらいまでのあいだで建てなければならないといいます。
 午後10時前に、ようやく宿泊先の「東横イン」に到着。ここも日本の資本です。空港からここまで、やっぱり2時間近くかかりました。
 ご存じのように、モンゴルでは1989年末に民主化運動がおき、90年7月に初の自由選挙が実施され、92年1月に「モンゴル国憲法」が制定されました。こうして、1924年以来の社会主義体制は崩壊し、国名も「モンゴル人民共和国」から「モンゴル国」へと変わったのです。
 われわれは、その「モンゴル国」の首都ウランバートルのホテルにいます。

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