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野生馬タヒと出会う──モンゴルのんびりツアー(6) [旅]

6月28日(金)
 晴れたり曇ったり雨が降ったりのモンゴルらしい天気です。モンゴルでは天気予報がほとんど役に立たないといってもよいでしょう。
 8時半に2泊したバヤン・ゴビ・キャンプを出発し、ホスタイ国立公園に向かいます。
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 ホスタイ国立公園はウランバートルのほぼ西130キロの場所にあります。いまいるブルドは南西300キロほどの場所にありますから、バスはふたたびウランバートルに向かって、やってきた道を戻る格好になるわけです。
 それにしても、どこまでもつづく草原です。たたずむワシ、空を舞うワシを見ます。
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 10時40分、トール川の手前にある、おなじみとなったルンのスーパーにやってきます。トール川では馬たちが水浴びをしています。
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 バスは舗装道路を離れて、ホスタイ国立公園に向かう草道の手前でストップ。ここで小さなロシア製四輪駆動車ワズに乗り換えるはずだったのですが、手配が間に合わず、きょうはそのまま草の中を走る土道に突っ込みます。運転手さんの腕の見せ所です。
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 12時半、無事、ホスタイ国立公園のキャンプ地に到着しました。
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 これが、われわれふたりに与えられたゲルの内部です。
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 キャンプ地にはいくつものゲルが立てられ、トイレとシャワーは別の大きな建物のなかにありますが清潔です。
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 食事をすませたあと、夕方4時からロシア製の四輪駆動車ワズに分乗して国立公園内を回る予定でした。ところが、予定が遅れて、出発が5時になります。しかし、心配は無用。いまは夜8時すぎまで明るいのです。    
 軍用車両としてつくられたワズは頑丈で、ほとんど道なき道を揺れに揺れながら進みます。周囲には草原が海のようにつづいています。
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 われわれの車が近づいてくるのをみて、好奇心旺盛なモンゴル犬が近づいてきました。
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 しばらく走ると遺跡がみえてきます。突厥時代の貴人をまつった墓だといいます。およそ6世紀くらいのものです。
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 貴人の墓のあいだに立って、記念写真を撮ってもらいました。
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 よくみると、ヒツジのかたちをした墓も残っています。
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 ふり返ると草原に虹がでていました。
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 車でさらに行くと、シカ石と呼ばれる石に遭遇しました。たしかにシカといえばシカかもしれない文様が石に刻まれています。石の高さは1.5メートルくらいでしょうか。これは紀元前の遺産です。
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 周囲にも多くの石が転がっていますが、これが何かはわかりません。
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 ここから車はちがうルートを通って、山道を爆走します。きょうは野生馬を見るのは無理か、とあきらめていました。
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 しかし、です。ガイドさんがタヒです、と叫びました。
 それは突然あらわれました。
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 親子連れです。
 モンゴルでは野生馬タヒは一度絶滅しました。しかし、たまたまプラハなどの動物園で飼われていたため、1992年に16頭のタヒが里帰りし、再野生化に成功しました。ここホスタイ国立公園では、現在400頭ほどのタヒが確認されているといいます。
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 いずれにせよ、タヒが見られたのは本日の収穫でした。
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