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かりんの白足袋 [かりんの話]

食欲は少し戻ったものの食は細い。
いつもの半分くらいのエサとミルクで生きている。
夕方、次女がつれあいとやってきて、かりんを抱いて涙ぐむ。
ずいぶん軽くなったので、びっくりしているのだ(ひょっとしてそれまでが太りすぎ?)。
ふり返ってみれば、15年前の春ごろ、中学生の彼女とぼくが、平井のあるマンションを訪れて、ほんとにちいさなネコをもらい受けたのが、かりんとの最初の出会いだった。
船橋のイトーヨーカドーの掲示板に写真入りで「ネコあげます」と貼ってあるのをヨーコさんと当時高校生の長女が見つけて、長女がどうしても飼いたいと言いはじめた。
ヨーコさんはペットを飼うのは反対だったが、娘たちの熱意に根負けした。
「わたしは絶対面倒をみないから」という条件で、飼うことにした。
写真には茶色とグレーの2匹のネコが写っていた。
かりんという名前をつけたのは長女で、茶色のネコをもらうつもりだったようだ。
ところが、ぼくと次女が提供してくれる方のマンションを訪れ、ゲージに入れられた2匹のネコを見させてもらったときに、すぐ寄ってきたのがグレーのほうのネコだった。
もらってきたネコを見て長女はちょっと意外な顔をしたが、すでに決めていたかりんという名前は変えなかった。
かりんは世田谷あたりの捨て猫で、いちおう和猫だが洋猫の系統が混じっている。
昔、辺見庸さんがわが家を訪れたときに、「白足袋をはいていて、かっこいい」とほめてくれた。
背中がわずかに縞模様のあるグレー、おなかと足先が真っ白なので、辺見さんのいうように白足袋をはいているようにみえる。
手持ちのデジカメでその動画写真を撮影する。
ただしブログに貼り付けようとするが失敗。
1日おきの医者通いがつづく。(2月10〜11日)


食欲もどる [かりんの話]

昨晩はぼくのベッドの足元で寝ていた。
5時に起床し、2階に上がると、一緒についてきて、エサをねだる。
たいして食べるわけではない。
ふだんの3分の1くらいだろうか。
きょうはヨーコさんが家にいるので安心だ。
夕方戻ってきて話を聞くと、少し食欲が戻ってきたみたいで、3時半すぎに本人(というのもへんだが)がエサをねだったという。
いつもの半分弱しか食べないけれども、それでも少しずつ食べる意欲が戻ってきている。
食べ飽きると、ソファの上で身繕いをし、それが終わると丸くなって寝始める。
こんな穏やかな毎日がいつまでも続いてくれれば、それに越したことはない。(2月8日[金])

5時半起床。昔は5時少し前に必ずやってきて、ベッドの脇で遠慮がちに鳴き、ぼくが起きないと「起きなさい」と言わんばかりにしつこく鳴いたものだ。
めざまし時計ならぬ、めざましネコ。
しかし、最近は鳴かなくなった。

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病院につれていく [かりんの話]

朝5時に起きると、いつものように2階から下りてくる。
習慣というのは妙なもので、いくら具合が悪くても、毎日のくり返しは欠かさないようにする。
ぼくがトイレに入ると、いつものように廊下に置いてある爪研ぎで爪を研ぐ。
習慣と異なるのは、2階にかけあがって、エサをねだらなくなったことだ。
ぼくが2階に上がってから、ゆっくり、そっと階段を上がってくる。
エサの皿をみると、何も食べていない。
手のひらにエサをのせると、休み休みしながら20粒ほど食べた。
これが精一杯。
醤油皿でミルクを飲ませる。
途中で鼻をくしゅくしゅし、頭をしきりと振る。
年末に左耳を出血するほど掻いて、まだ直っていない。
ふり返ってみれば、そのころから少し動作がおかしかったのだ。

かりんをキャリーバッグに入れ、15分ほど自転車をこいで、朝9時に大神宮横のくわしま動物病院につれていく。
耳をひっかくので、先生に爪を切ってもらう。
うまいものだ。
肝機能を改善し、むかつきを抑える、注射を打つ。
「入院しますか」と聞かれて、
「人見知りするから通院するかたちにします」と答える。
それで週2回通えばいいと思っていたら、
「できれば1日おきに通院して、食欲が回復するのを待つほうがいい」
と言われる。
注射をつづけて食欲が回復すれば、もう少し長生きできるわけだ。
家に戻り、かりんを置いて出勤した。
ヨーコさんはぼくより先に家を出ている。
きょうもかりんは夕方まで一人ぼっちだ。

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牛乳しか飲まない [かりんの話]


朝4時半ごろ、ベッドの脇で鳴いたような気がしたので起きてみると、いなかった。
空耳だったのだろうか。
2階に上がると、昨晩と同じソファの上に寝ている。
しかし、1階のトイレに置いた便器には、きちんとウンチとおしっこをしていたから、まだ1階と2階の往復はしているわけだ。
ひょっとしてトイレで下に下りてきてから、すぐに2階に戻ったのか。
皿にいれたエサはそっくりそのまま残っている。
子猫用のミルクも飲んでいない。
水は少し減った感じ。
新しいエサを入れて、水も替える。
そばに寄ってくるが、エサには見向きもしない。
水は少し飲む。
手のひらにエサを置くと、わずかに反応し、7、8粒食べるが、すぐにそっぽを向く。
食欲がないらしい。
爪研ぎ台にマタタビの粉を少しまくと、これには反応し、においをかいでから、爪研ぎを始める。
それが終わると、ソファの上に戻って、動かなくなった。
このまま衰弱していくのだろうか。
1時間ほどしてからのぞいてみた。
冷たいままでもふつうのミルクなら飲むのではないかと思い、口元に皿をもっていって、何とかなめさせる。
最初は警戒気味だが、お醤油皿の分くらいはぺろぺろと飲んだので、ほっとする。
しかし、その後、エサを口元にもっていっても、ぷいと顔をそむけてしまう。

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2月5日のかりん [かりんの話]

朝4時ごろ、それまで寝ていた2階のソファから1階の寝室に降りてきて、ぼくのベッドに上ってくる。
ふとんにいれて、からだをさすってやる。
冷え冷えとしている。
いつものように朝5時起床。
階段をのぼる足取りがよたよたして、昔のように元気よく駆け上ったりしない。
丸いプラスチックの皿に入れた食事はそのままで、食べた様子がない。
新しいエサに替えてやるが、興味がなさそう。
手のひらにエサを置くと、ようやく食べ始めた。
食べては休み、休んでは食べるという調子で、食欲はあまりない。
それでもふだんの3分の2くらいの量を食べたので、ほっとする。
出勤前、書斎で少し仕事をしながら、電気ストーブの前に置いてやると、気持ちよくなったのか、伸ばした前脚に頭をのせて、こくりこくり始める。
出勤時間が近づいたので、食堂で朝ご飯を食べる。
「おかあさん、あんまりお酒を飲んじゃだめだ、とかりんが注意してるみたいだ」
とヨーコさんがいう。
12月の主婦検診でコレステロール値が高かったので、かりんの病状がひとごとではないようだ。
ついでに「おとうさんもお酒をやめなさい」と、ぼくに忠告する。
かりんの波紋がわが家全体に広がっている。

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かりんが肝不全! [かりんの話]

3日ほど前からかりん(わが家のネコ)がほとんどごはんを食べないので、心配になり、夕方、自転車に乗せて、くわしま動物病院に連れて行った。
最初「風邪をひいたのかな」と言っていたお医者さんに、2週間ほど前から、水をいっぱい飲むようになったと話すと、「それじゃ、一度血液検査をしてみましょう」ということになった。
足のつけねあたりから血液を採取されるときも、かりんはおとなしくしていた。
10分ほどたって、出された結果は衝撃的なものだった。
本来29-84の範囲で収まらなければならないGPT(肝酵素)が197と異様に高い。
69-146を正常範囲とする血糖値が377、18-69の中性脂肪が500以上、53-164のコレステロールも347という値だった。
食欲がないのは、血糖値が異常に高いためで、水をいっぱい飲むのは腎臓に負担が来ているからだという。
GPTが197という数字は、明らかに肝不全の症状だと説明された。
おそらくこのままごはんを食べなければ、長くて3週間から4週間しかもたないらしい。
ついこのあいだまで、ほんとうに元気だったのでがくぜんとした。
この日は皮下注射を打ってもらう。
家に戻り、結果を話すと、ヨーコさんも涙がとまらない。
隣町に住む次女にも電話をする。
この15年、娘たちが大学を卒業し、結婚するまで、かりんはずっと家族の一員だった。
あと5年くらいは長生きするものと信じていたのに、突然の肝不全宣告というのは、あまりにも悲しい。
ヨーコさんが「かりん」と話しかけると、注射がきいたせいか、久しぶりにかわいい声で「ニャー」と鳴いた。
そのあと、こたつにはいったヨーコさんのおなかのうえに乗り、のどのあたりをなでてもらうと、うっとりして気持ちよさそうな表情をする。
ネコはえらい。
病気なのに病気らしいそぶりもみせず、いつものようにあどけない顔をしている。
このまま苦しまないで、静かに眠るように天国にいくのを祈るのみだ。
考えてみれば、この子からはこれまでずっと幸せをもらい、家族のみんなが励まされてきた。
残り少ない日をだいじにしたいと思う。


ネコの具合が悪いのだ [かりんの話]


きのうの朝、食べたものをはいてから、うちのネコ(名前は「かりん」)の調子が悪い。
昨夜、友人と会って10時半ごろ帰宅すると、ヨーコさんが夕方上げた食事がそのまま残っていた。
様子を見ると、ソファの上でじっとしたまま動かない。
つい先日までは猛烈なくらい食欲があって、食事をやっても追加で何度もおねだりするほどだった。
水もよく飲んでいた。
それが突然の変調である。
夜はふだんなら、ぼくのベッドにやってきて、そこで寝るのに、きのうの夜はやってこなかった。
今朝起きてみると、やはり同じソファの上にいた。
けっこう冷え込んだのに、ソファの上でじっとしていたのだろう。
15歳になるので、ちょっと心配だ。
いつもなら、ぼくの起きる朝5時を見計らって、遠慮がちにニャーと鳴き、ぼくが起きないとだんだんうるさいくらいに続けて鳴くのに、けさは寄ってもこなかった。

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