年の終わりに [雑記]
まず、家族ともども、なんとか無事にすごせたことに感謝です。
だいぶ老人力が増して、物忘れが激しくなりました。でも、なんとか健康を保つことができたのはありがたいことです。血糖値が高めなのですが、できれば食事療法と運動で数値を改善させたいと思っています。お酒が好きで、怠け者という性格は、改善するのがむずかしいですけど。
ピケティの『21世紀の資本』は、半分ほど読んだところで年越しです。
来年も頭のはっきりしているかぎり、本を読むつもりでいます。
本棚には、昔買った本が山のようにあるので、それを少しでも崩していくことが、老後の目標です。といっても、あせらず、ぼちぼち片づけよう。
来年、読んでみたいのは、ブローデルの『物質文明・経済・資本主義』、ジョン・スチュアート・ミルの『経済学原理』、滝村隆一の『国家論大綱』。いずれも読みごたえがあります。南方熊楠も残っていました。
三省堂の「神保町の匠」というコーナーに年6回、書評を書かせてもらっているので、そのほかにも何冊か新刊を読まなければなりません。
でも、読書量としては少ないほうですね。
まだ体力のあるうちに、もちろん旅行にも行かなくちゃ。若いころ、あこがれていたアメリカには、まだ行ったことがありません。きっかけがないんでしょうね。来年は友人が長年住んでいるバリ島に行きます。長女のいるイタリアにも行くかもしれません。車で東北をまわってみたいという希望はあるのですが、これはたぶん夢で終わりそう。
こんなノーテンキなことを書いていますが、来年も世界の緊張はますます高まりそうですね。
パックス・アメリカーナ(アメリカの平和)は、すでに終わっています。いまも圧倒的な軍事力を誇っているとはいえ、アメリカにもはや昔時の力はありません。中東での混乱はつづくでしょう。ロシアによるクリミア半島統合は、さらに次の動きにつながらないか不安です。EUは結束して対応できそうもありません。中国の勢力圏がどこまで広がっていくかも大きな懸念材料でしょう。日本の自衛隊は、事実上、国防軍となっていますが、さらに米軍との連携を深めていくでしょう。大きな国際紛争がおきないことを願うのみです。
ちなみに、日本は戦後ずっとアメリカに従属しつづけているという声をよく聞きますけれど、かならずしもそうは思いません。日米安保条約を日米同盟へと推し進め、沖縄に米軍基地を釘付けしているのは、むしろ日本側の意志なのではないでしょうか。憲法は事実上、すでに改定されています。
自衛隊と呼ばれる日本軍は、世界じゅうでアメリカ軍の後方支援をおこない、それによってアメリカに貸しをつくって、台頭する中国と対峙するためにアメリカ軍のプレゼンスを活用しようとしているのかもしれません。しかし、アメリカ軍にはアメリカなりの思惑があり、日本の思いどおりになるかどうかは疑問です。このあたり同盟といっても、内実はキツネとタヌキのばかしあいですね。アメリカはむしろ中国に接近していくでしょう。
核のない平和な世界国家は、人類の夢です。しかし、現実の世界はますます戦国乱世の様相を深めていきそうな気配です。国の行き方(生き方)が問われるのは、戦国乱世においてこそでしょう。
経済の乱気流がどうなるかも心配です。日銀はとうとう国債の大量購入による偽金づくりに手をつけました。通貨発行量が膨張すれば貨幣価値が下がり、円安が進行するのはとうぜんのことです。すると株価は上昇、いっぽうで輸入品価格も上昇します。加えて、ことしは消費税の引き上げがありましたから、日本経済は二極分解しつつあるといってよいでしょう。つまりアベノミクスによって恩恵を受けた人と、恩恵を受けなかった人とに、です。
アベノミクスによって日本全体の景気がよくなったとは、とうてい思えません。経済については、来年もジェットコースターのような動きが予想されます。しっかり身を守りましょう。
膨大な公的債務はいつか解消しなければならず、イギリスはナポレオン戦争時の巨額債務をほぼ1世紀かけて解消しました。しかし、それは大英帝国の発展と産業革命にもとづく、ゆるやかな経済成長があったためです。イギリス以外の国はどうしたか。その解決策は、けっきょく超インフレによって、国債をうやむやにすることでした。
さて、史上まれにみる国債をかかえた日本は、これからどうするのでしょう。ゆるやかなインフレと増税というのが、政府の考えていることでしょうが、はたしてこの百年の計がうまくいくかどうか心配です。
夫婦ふたりきりになった家で、こんなことを話していると、つれあいによくしかられます。
「聞かされるほうは、もううんざり」
おっしゃるとおりです。
こちらは風来坊の気楽な年金暮らし。ぜいたくはできませんが、のんびり余生を楽しめばいいわけです。知らない国にも行ってみたいし、本を読んだり映画をみたりもしてみたい。それには健康が第一です。来年、数えで90歳になる両親は、健康は努力だといいます。通い慣れていたプールが突然閉鎖されることになったのがいささかショックなのですが、来年は心機一転、別のジムをさがして、そのプールで、硬くなった手足を伸ばすことにしましょう。
よいお年をお迎えください。
だいぶ老人力が増して、物忘れが激しくなりました。でも、なんとか健康を保つことができたのはありがたいことです。血糖値が高めなのですが、できれば食事療法と運動で数値を改善させたいと思っています。お酒が好きで、怠け者という性格は、改善するのがむずかしいですけど。
ピケティの『21世紀の資本』は、半分ほど読んだところで年越しです。
来年も頭のはっきりしているかぎり、本を読むつもりでいます。
本棚には、昔買った本が山のようにあるので、それを少しでも崩していくことが、老後の目標です。といっても、あせらず、ぼちぼち片づけよう。
来年、読んでみたいのは、ブローデルの『物質文明・経済・資本主義』、ジョン・スチュアート・ミルの『経済学原理』、滝村隆一の『国家論大綱』。いずれも読みごたえがあります。南方熊楠も残っていました。
三省堂の「神保町の匠」というコーナーに年6回、書評を書かせてもらっているので、そのほかにも何冊か新刊を読まなければなりません。
でも、読書量としては少ないほうですね。
まだ体力のあるうちに、もちろん旅行にも行かなくちゃ。若いころ、あこがれていたアメリカには、まだ行ったことがありません。きっかけがないんでしょうね。来年は友人が長年住んでいるバリ島に行きます。長女のいるイタリアにも行くかもしれません。車で東北をまわってみたいという希望はあるのですが、これはたぶん夢で終わりそう。
こんなノーテンキなことを書いていますが、来年も世界の緊張はますます高まりそうですね。
パックス・アメリカーナ(アメリカの平和)は、すでに終わっています。いまも圧倒的な軍事力を誇っているとはいえ、アメリカにもはや昔時の力はありません。中東での混乱はつづくでしょう。ロシアによるクリミア半島統合は、さらに次の動きにつながらないか不安です。EUは結束して対応できそうもありません。中国の勢力圏がどこまで広がっていくかも大きな懸念材料でしょう。日本の自衛隊は、事実上、国防軍となっていますが、さらに米軍との連携を深めていくでしょう。大きな国際紛争がおきないことを願うのみです。
ちなみに、日本は戦後ずっとアメリカに従属しつづけているという声をよく聞きますけれど、かならずしもそうは思いません。日米安保条約を日米同盟へと推し進め、沖縄に米軍基地を釘付けしているのは、むしろ日本側の意志なのではないでしょうか。憲法は事実上、すでに改定されています。
自衛隊と呼ばれる日本軍は、世界じゅうでアメリカ軍の後方支援をおこない、それによってアメリカに貸しをつくって、台頭する中国と対峙するためにアメリカ軍のプレゼンスを活用しようとしているのかもしれません。しかし、アメリカ軍にはアメリカなりの思惑があり、日本の思いどおりになるかどうかは疑問です。このあたり同盟といっても、内実はキツネとタヌキのばかしあいですね。アメリカはむしろ中国に接近していくでしょう。
核のない平和な世界国家は、人類の夢です。しかし、現実の世界はますます戦国乱世の様相を深めていきそうな気配です。国の行き方(生き方)が問われるのは、戦国乱世においてこそでしょう。
経済の乱気流がどうなるかも心配です。日銀はとうとう国債の大量購入による偽金づくりに手をつけました。通貨発行量が膨張すれば貨幣価値が下がり、円安が進行するのはとうぜんのことです。すると株価は上昇、いっぽうで輸入品価格も上昇します。加えて、ことしは消費税の引き上げがありましたから、日本経済は二極分解しつつあるといってよいでしょう。つまりアベノミクスによって恩恵を受けた人と、恩恵を受けなかった人とに、です。
アベノミクスによって日本全体の景気がよくなったとは、とうてい思えません。経済については、来年もジェットコースターのような動きが予想されます。しっかり身を守りましょう。
膨大な公的債務はいつか解消しなければならず、イギリスはナポレオン戦争時の巨額債務をほぼ1世紀かけて解消しました。しかし、それは大英帝国の発展と産業革命にもとづく、ゆるやかな経済成長があったためです。イギリス以外の国はどうしたか。その解決策は、けっきょく超インフレによって、国債をうやむやにすることでした。
さて、史上まれにみる国債をかかえた日本は、これからどうするのでしょう。ゆるやかなインフレと増税というのが、政府の考えていることでしょうが、はたしてこの百年の計がうまくいくかどうか心配です。
夫婦ふたりきりになった家で、こんなことを話していると、つれあいによくしかられます。
「聞かされるほうは、もううんざり」
おっしゃるとおりです。
こちらは風来坊の気楽な年金暮らし。ぜいたくはできませんが、のんびり余生を楽しめばいいわけです。知らない国にも行ってみたいし、本を読んだり映画をみたりもしてみたい。それには健康が第一です。来年、数えで90歳になる両親は、健康は努力だといいます。通い慣れていたプールが突然閉鎖されることになったのがいささかショックなのですが、来年は心機一転、別のジムをさがして、そのプールで、硬くなった手足を伸ばすことにしましょう。
よいお年をお迎えください。
2014-12-30 07:12
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