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のんびり毎日がすぎる──イタリア夏の旅日記(8) [旅]

8月10日(木)〜12日(土)
 シエナ郊外の家で、とくに何の予定もない日々をすごしている。われわれは毎日が休みのようなものだが、ミワとマテオはちょうど2週間の夏休み、ユウキは3カ月の夏休みにはいっている。遠くに旅行に行けないのは、改造中の家の工事が終わらないのと、いま住んでいる家の売却交渉が進まないためだ。
 10日の朝も、業者が道路に飛び出しているガスの配管をチェックするというので、ミワとと建築中の家に出かけた。今度の家はオール電化で、ガスは使わない。そのためガスを止めるのだが、その配管が道路に飛びだしているので、それをどう処理するかを決めなければならないのだ。家の中ではトイレとバスの工事が進んでいた。
 生協に寄って帰宅し、日本からもってきたそうめんを作って食べる。午後1時半、マテオがサイクリングから戻ってくる。部屋に引っ込んでいると、ガス管の処理方法をめぐって論争する声が聞こえてくる。
こちらは今日も快晴だが、日本は台風が続けてやってきて、お盆には台風が関東地方を直撃する気配だという。日本のニュースはほとんどない。
 マテオはまもなくはじまる8月のパリオ(カンポ広場での競馬)の旗がお披露目になるというので、チェントロ(シエナ旧市街)に出かける。帰りは8時ごろになるというので、ミワの運転で近くのモンテリッジョーニに出かけた。丘の上の城壁の町だ。13世紀はじめ、シエナがフィレンツェと戦っていたときは、シエナの前哨砦だった。いまは知る人ぞ知る観光地になっている。
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 ネコものんびり歩いている。
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 トスカーナの青空に城門。何だか絵になる。城門の入り口は傾斜がきつく、戦車の侵入を防ぐ仕掛けがつけられている。
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 城門の外を一周しようとしたが、やめてしまう。その代わり、広場でカクテルを飲んで、うっとりする。のんびりした1日がすぎていく。
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 翌日も朝はゆっくりして、9時半になってから、ミワがいつも散歩にいっているという場所に連れて行ってもらう。シエナ大学理学部の脇を通って、キャンティの山並みを眺めるルートだ。遠くにキャンティの山並みと修道院が見える。
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 りっぱな家も建っている。ここからの眺めは最高だろう。だが、いかんせん暑すぎた。全コースを3分の1ほど歩いたところで引き返すことにした。
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 昼は冷やし中華をつくり、午後はのんびり。ところが、6時に家を見にくる人がいるという連絡がはいり、慌てて家を掃除する。対応はマテオにまかせて、ミワとわれわれはシエナのチェントロ(旧市街)に行くことにした。ユウキはいかないという。友達に親と一緒にいるのを見られたりすると、ばつがわるいのだろう。
 久しぶりのチェントロだ。いつものようにサッカー場に近いメディチ要塞前の駐車場に車を止め、いまはバス停になっているグラムシ広場を通って、町の中心部にはいっていく。グラムシ広場は、イタリア共産党の創設者のひとりアントニオ・グラムシ(1891〜1937)の名前にちなむ。シエナとグラムシにはどんなゆかりがあるのかを知りたいものだ。
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 1472年創業の世界最古のモンテ・デ・パスキ銀行の前を通る。2016年に深刻な経営危機におちいり、いまは事実上政府の管理下にあるという。
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 カンポ広場にやってきた。
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 石畳の上には土が敷かれ、来週のパリオに向けて、着々と準備が進んでいた。
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 ホタテ貝のかたちをした広場の底の要部分に、市庁舎(パラッツォ・プップリコ)とマンジャの塔が立っている。この堂々とした中心があるからこそ、市民(いまは世界市民)の集まる広場が生きてくるのだ。
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 中心を求めるという人の心性はいつの世も変わらない。はたして、ぼくにとって世界の中心(無限中心)は何なのかと、ふと思ったりする。いまもさまよったままだ。
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 ドゥオモ(大聖堂)の前にやってくる。昔はだれでも無料でなかにはいれたが、いまはけっこうな料金をとる。
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 なかにははいらない。入り口から写真をとると、パリオに参加するコントラーダ(町会)の旗が並び、ミサがおこなわれているようだ。この時間、観光客は外で待たされている。
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 街には1時間ほどいただけで戻る。以前は街を歩くと少し緊張したものだが、今は街が身についてきたような気がする。

 トスカーナが日本と違うのは、朝が爽やかなことだ。翌朝、午前中はのんびり。昼はマテオのご両親、お母さんの双子の妹さんと一緒にモンテリッジョーニ近くのレストランで食事する。
 3日前、ぼくと同い年のお母さんは、車で降りるときに転んで、顔と膝をぶつけた。そのとき、みんなでお見舞いにいったが、少し楽になったので、みんなで食事をしようということになった。ワインとビールもいただき、おなかいっぱいになった。
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 4時ごろ家に戻り、昼寝。気温は34度でさすがに暑い。

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