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『永続敗戦論』は「永続革命論」だ [雑記]

 先日、友人から白井聡の『永続敗戦論』を読んだかと聞かれました。読んでないと答えると、ぜひ読むようにと勧められました。友人の話だと、若手の論客だけに、タテマエにこだわらず、ズバズバと議論を展開していて、じつに小気味よいとのこと。それはいちど読んでみなくては。
 政治向きの話はあまり好きではありません。というか、現実の政治にはほとんど興味がないのです。民主党が政権を取っても、自民党が政権に返り咲いても、口ばっか、うそばっかという感じで、政府はまるで信用していません。
 特定秘密保護法案というのもばかみたいです。あれははっきりいうと、外交・軍事機密法で、戦前の治安維持法とは性格がことなるのではないでしょうか。それでも、政府がおれには秘密があるぞ(アメリカからも内緒で秘密を教えてもらってるんだ)と自慢するようなものですから、まさにみずからが政府は信用できないぞと広言しているのと同じです。うまい政府なら、政府はうそはつきませんと、しらを切るのですがね。
 日本版NSCというのも噴飯ものですね。日本版というからにはオリジナルがあって、そのまねっこです。NSCというのは、政府・軍(プラス警察)連絡会議のことです。日本は憲法によって軍をもてないことになっていますから、NSCとごまかすわけです。軍事費だけでいうと、日本はほんとうは世界第5位の軍事大国なんですけどね。そして、日本版NSCが、本家本元の意向をうかがいながら運用されることはまちがいありません。
 いずれにせよ、「戦時」(戦争にせよ内乱にせよ)への準備がはじまっています。口には出せないながら、仮想敵国は中国と北朝鮮です。しかし、万一、全面戦争になれば、特定秘密保護法とやらは、治安維持法へと転化していくでしょう。東アジア情勢は激動の予感をはらんでいます。なんとか、この危機を避ける手だてはないのでしょうか。
 寝転がって、ぱらぱら斜め読みしただけですから、『永続敗戦論』については、印象的なことしか言えません。これは要するに、日本はアメリカに敗れたにもかかわらず、それを素直に認めず、まるで負けなかったかのようにとりつくろいながら、そのくせアメリカにまったく頭が上がらない現状を明らかにした本といえるのではないでしょうか。よくぞ言ってくれた、すっきりしたと思う読者は多いと思います。
 ネットを見ると、水野和夫さんなんかは、朝日新聞の書評で「読んだあと、顔面に強烈なパンチを見舞われ、あっけなくマットに仰向けに倒れこむ心境になった。こんな読後感は初めてだ」とベタほめです。
 ぼくもまた妄想を膨らませました。
 まず日米安保条約を廃棄し、日本から米軍基地をなくすこと。これがスタートです。それにともなって、戦前とはことなるかたちの日本軍を創設する必要があるでしょう。
 それから中国、韓国、ロシアと条約を結んで、領土問題を解決すること。尖閣は時計の針を元に戻して、またたなあげにするのがいいでしょう。竹島は韓国に渡し、その代わり漁業に関しては何らかの便宜をはかってもらうことにしましょう。北方領土については、歯舞、色丹を日本に返還し、国後、択捉は日本とロシアが共同開発するようにします。北朝鮮とは国交を樹立し、拉致問題を解決するというのはどうでしょう。
 その次は東アジア共同体(EAU)の建設です。できれば、ここに中国もはいってもらいたいですね。北大西洋条約機構(NATO)に似た北太平洋条約機構(NPTO)をつくるという構想もありですね。もちろん、米国も参加してもらいましょう。
 天皇はもう世俗的な政治にかかわらないで、日本文化の象徴になっていただくのがいいのではないでしょうか。政治の実権は、国会によって選ばれた首相が担うのはとうぜんですが、それとは別に国民投票によって、国家儀礼をはたす大統領を選ぶ必要があります。
 もちろん国の基本となるのは、国民の自由と平等、そして人権、知る権利ですね。死刑制度は廃止されねばなりません。それだけに国が個人の安全保障(保証と補償)を強化することが求められるわけです。
 これは永続革命ですね。永続敗戦を避けるには、とうぜんそういう方向しかないのではないかと、妄想はふくらみます。ちょっと、ふざけすぎ。
 おっと、書評にはなりませんでした。だから、政治の話はいやだし、そもそもぼくにはどだい無理な話なんです。

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