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ツンドク本をながめながら [雑記]

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ドロミテにて(6月)

 開けられなかった右目が開き、日常生活に支障はなくなったものの、顔の右半分はまだはれて、薬(リリカ)を飲まないと、ときどき痛みが走ります。帯状疱疹が発症してからちょうど3カ月がすぎました。この病気のしつこさは相当なものです。でも、ぼくのまわりでも、おおぜいの人が病気に苦しんでいるのだから、ぜいたくは言えませんね。
 自由に本を読んだり、レンタルのDVDを見たりすることができるようになったのは、3週間くらい前あたりからです。これだけでもありがたいと思わなくては……。
 それでも夏風邪を引いてしまったり、長年机の上に鎮座していた愛用の置き時計が、電池を替えても1時間に20分遅れるようになってしまったり、思いもかけぬことがつぎつぎと起こり、老いを感じます。
 ヨーコさんに、首が突きでて、背中が曲がっていると、よくいわれるので、散歩したりプールに行ったりするときは、なるたけ注意しているのですが、とられた写真などをみると、ずいぶん姿勢が悪くなっています。それでもいろいろと注意してくれる人がいるのはありがたいことです。
 ヨーコさんがイタリアからまだ戻ってこないときに、駅前のときわ書房でDVDを借りて、けっこう見ました。よかったのは「剣岳」。これは傑作だと思いました。「沈まぬ太陽」は駄作。きっと原作もくだらないのでしょうね。「アマルフィ」は楽しいけれど、どうみても無理がある。「ベロニカは死ぬことにした」は、いかにもつくりもののヒューマンドラマというやつ。
 本も読みはじめています。柄谷行人の『世界史の構造』は、頭をひねりながら読んでいます。井上荒野の『切羽へ』は、揺れ動く女ごころを描いて、なかなかよかった(ヨーコさんには勧めませんけど)。花村萬月は相変わらずエッチで暴力的です。子どもには読ませられない。船戸与一の『満州国演義』は第5巻まで読了。いつもとばし読みですまないような気がします。小熊英二の『1968』が駄作なのに対して、三橋俊明の『路上の全共闘』は、わが意を得たりの快作でした。
 そのほかも何冊か読みましたが、よく覚えていないところをみると、いよいよボケが忍び寄っているみたいです。「博士の愛した数式」(この映画もよかった)ではないですが、30分前はともかく、2日くらい前のことはあまり詳しく覚えていないというような状況がはじまっています。まあ、それだけ平凡でおめでたい毎日がつづいているということでもありますが……。
 机の引き出しや納戸、本棚を片づけなくてはいけないと思いながら、この猛暑のなか、ぐてっと寝転んでいるのが実状です。本棚をみると、昔カッコつけて買ったものの、読んでいない本が百冊以上並んでいます。プラトン、アリストテレスからはじまって、カント、ヘーゲル、フッサール、ハイデガー、サルトル、ベンヤミン、フーコーにいたる哲学書。ケインズやハイエクも、ブローデルもレヴィストロースも読んでないなあ。スミスやマルクスも読み直さなければ。宮崎市定や三田村鳶魚も、河上肇も折口信夫もそろえただけで、終わっています。『ローマ人の物語』も途中で断念。
 ツンドク本をそろそろ読もうかと思いはじめた夏です。いずれその成果はブログでといけばいいのですが……。いま与えられた時間をせいぜい楽しみましょう。映画や舞台を見て、旅行にも行きたいですね。

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