同窓会

　久しぶりに中学・高校時代の同窓会に出かけた。自分のことをさておいて言うと、みんな還暦すぎのいいオヤジである。たぶん街でふと出会っても、わからないだろう。それでも久々に話してみると、少年時代の面影が浮かんでくるから不思議なものだ。
　ぼく自身は自閉症気質なので、昔から人と楽しくつきあったり、わあわあと喋ったりするのが苦手だった。いまでも、その気質は変わらない。だから、外に出かけるより、家に閉じこもりがちになる。同窓会にもおずおずと出かけたものだ。中高時代、たいして出来もよくなかったので、からだのどこかにコンプレックスが重りのようにぶら下がっている。
　それでも、何とかこの年まで生きてきた。久しぶりに話をしてみると、高校を出てから、いままでみんなそれぞれの人生を歩み、まもなくリタイアして、また次のステップを歩もうとしていることが実感できる。楽しかった。
考えてみると、それぞれのいろいろなちがった経験が共有できるのが、同窓会の不思議さなのかもしれない。ぼく自身は同窓会を利用して、コネを広げようとか、商売のチャンスをつかもうといった元気は、早くからなくなっている。それでも、わりあい気兼ねなく、しばらく会わなかったみんなが、どんなことをしてきたのか聞けるのは、新聞やテレビではわからない人生の妙味だった。
　会の終わりに情報交換の場をもちたいね、という話がでた。ぼくがまとめ役になって、拙速ながらmixiにサイトをつくってみた。パソコンはぼくらの年では、けっこう面倒で、やっかいだ。機械に自分を合わせるのは、しゃくでもある。それでも、このサイトから忘れかけていたつながりが、少しずつよみがえってくるかもしれないと思うと、これからの励みになるような気もする。